最近、上に向かって育つ植物が好きみたいだ。だから、サンセベリアや多肉も育てていた。ボクはこれまでいくつかの観葉植物を枯らしてきた。会社員のときは、サボテンだって枯らしてしまった。なんとなくおしゃれだなと思って買ってきた。今思えば、育てる気なんてまったくなかったんだと思う。
新型コロナウイルス感染症が流行してから、たびたび暗い気持ちにさせられてしまう。気を紛らわそうと思って、映画を見たり、本も読んだりした。多少は効果があったけれど、闇にはすぐにひっぱられてしまう。
ハーブティーやアロマテラピーは、とても支えになっている。ホっとする味わい。心地よい香り。気分転換になるし、気持ちも軽くなるような気がする。
もっと、希望が欲しかった。
ボクは、観葉植物を育てることを思いついた。思いついたのと同時に、うまく育てられる自信がないことにも気がついた。ボクにもできるだろうか。いまだったら、育てられるだろうか。
それからすぐに、思い切って中型の観葉植物を買ってきた。売り場にあった種類から一番気になるやつを2つ選んできた。どちらも「上に向かって育つ」観葉植物だった。ネットで調べてみると、上に育つ植物が身近にあると、ポジティブな気持ちになれるらしい。運気アップっていうやつかな。なんとなく選んだつもりだったのだけど、心の中が求めているものを選んでいたのかもしれないな、って思ったりもした。
それから、街中の観葉植物が気になって、街角の花屋やスーパーマーケットの観葉植物コーナーを探すようになった。気になったものを見つけては、少しずつ増えてきた。
ヒヤシンスが目についた。
鉢物のお花系はそんなに気にしていなかったのだけど、生花や切り花とは違って、少しずつ成長を楽しめるし、変化も感じられていいかもしれない。そんな気分になって、買ってきた。
花は希望かもしれない。日々の成長はグリーンでも感じられるけれど、花は華やかで、気分も盛り上がるような気がする。なにより、香りが強く、心が動くような気がする。
ヒヤシンスの香りは、イランイランの精油に近い雰囲気を持っている。花で言えば、洋蘭みたいな感じもする。エキゾチックで、フローラルで、なんだか気持ちがフワフワしてくる。
うちのヒヤシンスは、いまが満開だ。1つ咲き始めると、スイッチが入ったように、咲き乱れる。朝と夜でも違う。変化が感じられるのは、なんだか新鮮でいいなぁと思った。