このページでは、NHKの100分de名著で取り上げられた「カール・マルクス」の「資本論」について、要点をまとめて、書き記しておきます。
第1回 「商品」に振り回される私たち
「労働」−人間だけが行うもの
- 労働は、まずもって、人間と自然との間の一過程、すなわち、人間が自然との物質代謝を自らの行為によって媒介し、規制し、制御する一過程である。
『資本論』は「富」から始まる
- 資本主義的生産様式が支配的な社会の富は、「商品の巨大な集まり」として現れ、個々の商品は、その富の要素形態として現れる。それゆえ、われわれの考察は商品の分析から始まる。
- 貨幣では必ずしも計測できないけれども、一人ひとりが豊かに生きるために必要なものがリッチな状態、それが社会の「富」なのです。
「商品」の正体
- 社会の「富」が、資本主義社会では次々と「商品」に姿を変えていく
「資本」が森を囲い込む
- 誰もがアクセスできるコモン(みんなの共有財産)だった「富」が、資本によって独占され、貨幣を介した交換の対象、「商品」になる。
- 資本主義は、人工的に希少性を生み出すシステム
- 「商品」にするには「労働」が必要
- 「商品」生産の担い手は、自らの労働力を提供するだけでなく、「商品」の買い手となって、資本家に市場を提供した
- 人々が自然という「富」から切り離されて貧しくなるということ
- そして「富」が商品になって資本主義が発達する際には、人間と自然の物質代謝が従来とはまったく異なる形として展開されるようになる
目先の金儲けを止められない
- 労働の目的が他の社会とは大きく異なる
- 資本主義社会では「資本を増やす」こと自体が目的になっている
必要な物より「売れそう」なモノ
- 「商品」は、人々の生活に本当に必要な物、重要な物かどうかよりも、それがいくらで、どれくらい売れそうか(言い換えると、どれくらい資本を増やすことに貢献してくれそうか)が重視される
- 売れそうなモノを生産するのが資本主義
- 商品には「使用価値」と「(貨幣)価値」の2つの顔がある
- 使用価値とは、人間にとって役に立つこと(有用性)
- (貨幣)価値とは、等価交換できるモノ(共通の基準)
- (貨幣)価値は、その商品を生産するのにどれくらいの労働時間が必要であったかによって決まる
- 使用価値は人間の五感で捉えることができるが、(貨幣)価値は五感で捉えることができず「まぼろしのような」性質を持っている
モノに使われ、振り回される人間
「民営化」という名の囲い込み
社会の「富」が危ない!
第2回 なぜ過労死はなくならないのか
資本は”運動”である
資本家が金儲けをやめられない理由
「生産」という秘められた場所
「労働力」と「労働」の違い
長時間労働が蔓延するカラクリ
繰り返される「過労死」という悲劇
「自由」が労働者を追い詰める
そこまでして、なぜ頑張るのか
賃上げより「労働日」の短縮
資本家から「富」を取り戻す
労働時間の短縮に向けて
第3回 イノベーションが「クソどうでもいい仕事」を生む!?
ケインズの楽観と悲観的な現実
「より安く」と圧力をかける資本主義
生産力の向上が生む「相対的剰余価値」
誰のためのイノベーションか
- 労働のプロセスは大きく2つに分けることができる
- それは、「構想」と「実行」です
- 「精神的労働」と「肉体的労働」と言ってもいい
- 「設計」と「試作/量産」?
「分業」が労働者を無力化する
人間らしさを奪うテイラー主義
「機械」に奉仕する労働者
生産力向上で仕事にあぶれる
「経営者目線」や「AIがもたらす自由」のウソ
自律性を取り戻せ!
給食を守る取り組み